放っておくと思わぬ事態に

外壁の違いによるひび割れの原因

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  • サイディング外壁
  • RC(鉄筋コンクリート)
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モルタル外壁

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モルタル壁のひび割れの原因は、以下のようなことが挙げられます。

  • モルタルの乾燥不足(塗装までの工程不足)
  • モルタル自体の収縮 (セメント、砂、骨材、樹脂の配合バランス)
    軽量モルタルの場合はクラックが入りにくいが全体に強度が弱い
  • 窓下などに目地を取っていない
    モルタル壁は建物が動くことによって必ずひび割れが入りますが、
    それをわざと目地をとってそこで割れるようにしておくのが一般的な工法です。

モルタル壁に発生するクラックの殆どは、モルタルの調合割合が原因の場合が多いです。

セメント量が増えると使用水量も増え、乾燥収縮により割れが生じやすくなると共に、
収縮時に下塗りのモルタルを引っ張り、クラックが貫通する場合があります。

セメントと砂の配合は適正であっても、水セメント比が大きい程、乾燥収縮によるクラックは発生しやすくなります。

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サイディング外壁

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サイディングのおもだった傷みは、 やはりボードとボードの継ぎ目の「目地シーリング」による傷みです。

新築時、サイディングボードを張り終わった工事の後、
はじめはマヨネーズ状になっているシールを目地などに注入していき、
時間がたつとゴム状に固まっていきます。
新築の時は上から塗装をせずに、シールそのものがむきだし状態のため、
紫外線が直接あたる格好となって劣化していきます。

北側より南側、東側より西側というように、
紫外線が強く当たる方角の外壁のほうがつよく痛む傾向がみられます。
ゴム状のものが継ぎ目をふさいで雨などの進入をふせいでいますが、ゴム自体を埋め込んでいるのではありません。はじめはプライマーという付着をよくする接着剤を塗ったあと、歯磨き粉状のようにやわらかく練ったものを注入していきます。それが固まるとしっかりとしたゴム状になるというものです。

傷みの症状は、プライマー(接着剤)の不足が原因でシーリングがサイディングボード断面からはがれてきたり、シーリング自体のボリューム不足による肉やせなどがあります。

のちのちの雨水の浸入を防ぐためにも、塗装前にシールの打ち直しの交換工事が必要になってきます。
塗り替えの場合はシーリングを交換した後、その上から塗装をするため、紫外線が直接シーリングに当たらなくなるので、塗る前のむき出しのシーリングと比べて、断然に傷みの悪影響がすくなくなります。

また、サイディングの場合、 あまりに端部に釘が打たれたために割れていた例や、 経年劣化で、サイディングボードが反ってしまい、割れが発生することもあります。

まずは、割れている理由を明確に把握した上で、適切な処置をする事が大切です。

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RC(鉄筋コンクリート)、ALC(軽量気泡コンクリート)

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① 近くに国道とか電車の線路がある場合、
振動等やまた台風時期になどで、建物に強い負荷がかかることにより、
コンクリートなどの外壁材がその力に耐えきれなくて、その影響でひびが入る

② 外壁部分が乾燥することにより収縮して、
外壁にひびが生じたり、窯業系サイディングの場合反ってきて、
サイディングとサイディングの間に隙間ができてくる。
いわゆる乾燥して硬化すると収縮するのです。

そして、3~4日で完全に硬くなるのですが、
それから、湿気や水分をモルタル【コンクリート】が吸ったり、
乾燥したりしていまして、その乾燥する時に収縮してひびが入ってくるのです。

③ コンクリートの打ち継ぎの部分やサッシなどのまわりでコンクリートの厚さがうすくなっているところにひびが入る。

④ 地震 ①とよく似ているといいますか、建物に大きな力が働くという意味では全く同じですが、建物に外力で大きい力が加わり、建物がゆがんだり、変形をしたりすることにより、ひびが入る。

⑤ コンクリートの中に入っている、鉄筋やメッシュなどの鋼金属類が腐食する事により、膨張して、ひびが入る。(北海道地方などの気温が氷点下になる事により、外壁の中に侵入した、水分が凍り、膨張して、外壁にひびが入るということとよく似ています。

⑥ 建物の不同沈下により、建物がゆがみ、ひびが入る。

⑦ 外壁の施工の手抜き工事といいますか、セメント、砂等の配合の不良、ミスによるものと、外壁のモルタル壁の面の厚さが基準より薄すぎたり、厚すぎたりすることにより、ひびが入る。
住宅の場合の厚さとして8ミリくらいという、薄い厚さのモルタル壁が実際として多く、そういう薄い壁の家はひびが入りやすく、築1~2年で出てくる場合があり、3年すれば殆どひびが生じている。

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ひび割れの種類

塗膜に発生するもの

外壁材に発生したクラックが
塗膜のクラックとして現れたもの

ヘアークラック
ヘアークラック
乾燥クラック
構造クラック
乾燥クラック、構造クラック、縁切れによるクラック

ヘアークラックとは

金属中に出来るものなど、髪の毛のような細く、短いひび割れの総称です。
塗装で言うヘアクラックとは、 主に塗膜に出来るクラックです。

原因として次のようなことがあげられます。
・経年による塗膜劣化。
・塗装間隔時間の不適切な塗装作業。
・弾性素地や塗膜の上に硬質塗膜を塗装した場合。

経年による塗膜劣化

塗膜性能の経年による低下で、素地の膨張収縮に絶えられなくなり、塗膜にひび割れが生じたものです。
チョーキングなど塗膜劣化の症状が現れたら、早目の塗り替え塗装を行います。

塗装間隔時間の不適切な塗装作業

下塗り、中塗り、上塗りの3工程で塗装作業が行われます。
中塗りが未乾燥のまま上塗りをしますと、上塗り材の硬化乾燥後に中塗り材が硬化収縮するため、上塗り材にひび割れをもたらしてしまいます。
早目の塗り替えが必要です。

劣化の程度が低ければ、上塗り材の再塗装で十分ですし、 経済的にも軽負担で済みます。

劣化が中塗り材に及び、付着力の低下が起きている場合は、全面剥離を余儀なくされ、経済的な負担も大きくなります。
弾性素地や塗膜の上に硬質塗膜を塗装した場合

弾性素地や弾性塗膜の上に、硬質塗膜の塗装を施した場合、硬質の上塗り塗膜が、下地の弾性による歪みや動きに追随できず、 塗膜にクラックを生じてしまいます。
これは前回の塗装での塗料選定ミスです。状況によっては、全面剥離が必要です。

乾燥クラックとは

モルタルなどの湿式工法による外壁材は、その乾燥過程で、水分の蒸発などによりヤセ(収縮)が生じ、ひび割れが起こります。
乾燥クラックはそのひび割れ幅が狭いのが特徴です。

構造クラックとは

建物の構造的な欠陥、凍結と融解の繰り返し、建物の不同沈下などから発生するひび割れです。
筋交い等の不足など構造的な欠陥から、建物が大きく揺れたり、歪んでしまったりするため、その歪力が外壁材に働き、外壁材にひび割れをもたらします。

縁切れによるクラックとは

モルタルなど湿式工法の外壁材は一度に一面を仕上げます。
途中で作業を中止したり、他の事情で部分的にやり直したりしますと、新旧の塗り次ぎ面にひび割れを生じます。
これが縁切れによるクラックです。

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ひび割れの補修方法

外壁のクラック(ひび割れ)は雨漏りの原因になります。
そこで塗装する前の処理として外壁のクラックをウレタンまたは変成シリコンのコーキング材で埋めておきます。
細いクラックは下塗りをした時に埋まりますが、大き目のクラックは予め埋めておく必要があります。

但しコーキング材をたくさん塗り付ければよいと言うものではなく、
あまり使いすぎるとその部分が上塗りした後に目立つようになってしまいます。

またコーキング材は、「ノンブリードタイプ」と表示されたものを使えば上塗りの変色を抑えることが出来ます。
既存がリシン吹きの場合には、シーラーではなくフィラーを下塗材として用いるほうが良いです。

補足1 フィラー

フィラーとは、filler(埋める物、詰め物、充填材など)からくる用語で
「下地の凹凸を埋め、下地を調整する」意味から"フィラー"と呼ばれます。

フィラーは、主にクラック(ひび割れ)の補修や、段差のある下地を平滑にならす為に使われます。 シーラーとフィラー機能を兼ね備えた"微弾性フィラー"というものもあります。

一般的にクラックの幅に応じて、以下のような補修方法がとられます。

幅が0.3mm以上のクラックはシーリング材を充填する。
0.3mm以上の幅のクラックはVカット(またはUカット)をし、樹脂モルタルまたはシーリング材を充填する。
幅が0.3mm未満の微細なクラックはフィラーシーラーなどの下塗りで処理することが多い。

補足2 Vカット、Uカット

Uカット
Uカット

ひび割れの補修の際、ひび割れ部分には一度切れ込みを入れて、
シーリング材を注入します。

その切れ込みの断面がV字型のものをVカット、
U字型のものをUカットといいます。

昔はVカットが主流でしたが、
Uカットの方はVカットに比べカット面積が多く、その後コーキング剤の充填や仕上げの樹脂モルタルの付けしろがしっかり取れるため、施工後更なるクラックの動きにも追従します。

Uカットは誰にやらせても、10×10前後の切り口を安定して作業させられます。

切り込んだ嵩全てが粉塵となる為、粉塵量が多くなります。

Vカットは、
・スピーディーに自在に、任意の切り込みが可能である。
・Uカットと比較すれば、粉塵が少なくて済む。
・技術がないと、ガタガタにしてしまい構想通りのカットが困難になる。

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